恥・覚えていますか

「コストを削ることだけは、無能でもできるからな」
 少し前に、2chだったかな、なんのスレだか忘れたけど、こんなカキコミをみた。
 これを書いた人は、どれだけの実績があるのだろう? 人を無能って罵るということは、よっぽど自信があるのだろうし、実績をつくってきたはずだ。けど、実績をつくってきた人は、ネットの断片的なカキコミで一方的に断罪するような発言はしないと思うのだ。
 コストを削るより、コストよりもでかい利益を作り出したほうがよいのは当たり前だ。誰だって知っているだろう。けどそれをできる人間って世の中にどんだけいるだろう? 多くの人が、悩んで苦しみながら時にはコストを切ることで利益を大きくしているのだと思う。
 そういった重さの実感が、まったく感じられない発言だった。こういう人は自分が意思決定にたった瞬間、コストを削りだして使えない奴が悪いとか言い出しそう。
 2chのカキコミは便所のラクガキだけど、ラクガキしているのが誰かは書いた本人は知っている。いつだって自分の行動は自分が見張っている。想像力の欠如か羞恥心の欠如か知らないが、とりあえず書いたということは恥を覚えなかったということなのだろう。
 僕自身もたまによく知りもせずに、いや、実感せずに批判することがある。僕はそれが本当に恥ずかしいし怖い。そういった羞恥心のない人が、世の中には結構たくさんいるんじゃなかろうか。
 だからたまに、それは恥ずかしくない行動か? と自分に聞いてみるのは、人間としてすごい重要だ。世界中の人がそうなればいい。
 もちろん、最初にあげたカキコミをした人の像を僕が勝手に想像して書いているわけで、それはそれで僕にとって恥ずかしいことだけど、そうでないならそうでないことを示せる人がいるだろう。だからとりあえず書いておく。
 恥を知れ。