オリジナル

 コンテンツのオリジナリティを幻想と捉えるか?
 どうやって小説を書くかという質問に対して

コンビネーションとインスピレーション

と答えたのはナボコフでしたか。直接もしくは間接的に影響を受けるのは当然でしょう。
 ただ、影響を受けたり換骨奪胎、オマージュ、パスティーシュ、パクリ、なんでも良いですが、それらとオリジナリティは本質的には関係ありません。
 Origin,Original,Originality これらは別々のものですが、どういった意味があるかそれぞれ考えてみると

  • Origin

 起源ですね。なんらかの原典になる作品ですか。

  • Original

 独創性・原型。独創性についてはひとまず置いて、原型ということはなんらかのスタイルの元となる作品ですね。

  • Originality

 独自性。他の作品と峻別可能な要素および要素の組み合わせ

こう考えるとオリジナリティは幻想でもないですね。オリジナリティの追求は、十分に実現可能な達成目的になるでしょう。
 問題は『独創性』になりますが『独創』はgoo辞書によると

(名)スル
他人の真似をせず、自分一人の考えで物をつくり出すこと。また、そのもの。
「彼が―した技法」
〔明治期につくられた語〕

とありますので、ポイントは「真似をしない」と「自分の一人の考え」ですね。
 まねるは同辞書より

行動・様子などが他の人や物と同じになるようにする。

 さて、「行動・様子などが他の人や同じになるように」しない、かつ「自分で一人で考える」ことが重要なわけです。つまり前者は本人の意識の問題ですね。他人に判定できることではないと。後者にいたってはいたって簡単、他人に相談しなければいいわけです。
 こんなところで、オリジナリティってのは否定できないものだと思います。