Room.No-1301

ROOM NO.1301―おとなりさんはアーティスティック!? (富士見ミステリー文庫)

ROOM NO.1301―おとなりさんはアーティスティック!? (富士見ミステリー文庫)

ルームナンバー1301 新井輝

お話

 下校途中、絹川健一は鍵を拾う。その鍵は十二階建ての幽霊マンション『十三階』の一室の鍵だった。鍵に導かれたのか、選ばれたから鍵を拾ったのか、『十三階』の住人・綾と出会い、彼は十三階へ出入りすることになる。鍵を拾った人だけが入れる『十三階』の住人たちはみんなどこか少しおかしくて、健一たちは少しえっちで少し不思議な日常を描く青春劇。

キャラクター

健一:主人公。イケメン。特技は料理。やたらモテる。
綾 :『十三階』の住人で健一のお隣さん。世界的な芸術家だが、一般生活を送るには難儀な性格をしている。健一の初体験の相手。
冴子:『十三階』の住人で健一の同居人。エッチ依存症でエッチしないと眠れない難儀な人。メインヒロインっぽい。眠り姫の逆?
刻也:『十三階』の住人。生真面目で堅苦しい性格で、通称は『管理人』。確か新しい巻でスポットを浴びる予定だった気がする。
日奈:『十三階』の住人。性同一障害(?)で通称はシーナ。健一をバンドに誘い『シーナ&バケッツ』を結成。

魅力

「青春の肖像」そんなイメージが思い浮かぶ。明らかにキャラクター小説なのだが、キャラクターではなく、キャラクターを通して「青春」を描いている。
 一巻のプロローグはその青春が終わった後、それを振り返るところが描かれている。だから本編も全体的に、読者から見ると回想的でもあり、過ぎ去った青春を眺めるような思いにもなる。それが半透明な感じがして魅力的。
 主人公の健一はある意味色々はっちゃけていて、いろんな女の子に手を出していく。いわゆるハーレムものなんだけれど、セックスしている分、健全と言うかいやらしくない。ハーレムものでセックスがないと、逆にいやらしい感じがしていやだ、なんて思う人はちょっと読んでみると面白いかも。一巻は間違いなく面白い。
 ただシーナ編が長すぎてちょっとだれ気味。五巻くらいからは斜め読み推奨。