DienBienPhu
- 作者: 西島大介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/08/30
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- 作者: 西島大介
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引き句っぽいお話の紹介
二人がまだお互いを知らない、1965年1月のベトナム。ベトコン*1は最新鋭の兵器で殺され、米兵は密林の中で殺され、民衆はベトコンにも米兵にも殺され、僧侶は自らを火に掛け殺しバーベキューになる、そんな時代のそんな場所。19歳の青年、日系米国人ヒカル・ミナミノはカメラを武器とする兵士としてベトナムに派遣された。
兵士としての自覚ないまま、彼は戦場を無邪気に歩き、戦いもせず、写真を撮ろうともしない。ただプランセス(お姫様)と呼ばれる少女を見てハートを打ち抜かれるだけだ。
物語はどこへ向かい転がっていくのか、二人はまだお互いを知らない。
魅力
可愛らしくデフォルメされた絵柄のキャラクター達が切ったり切られたり、撃ったり撃たれたりしてバタバタ死んでいく。戦争を扱うには軽すぎる絵柄とも言えるのだけど、それが戦場における命の軽さという妙なリアリティをかもし出している。テレビで見る戦争しか知らない僕は、演出過剰に陥らない軽薄さにこそ説得力を感じるのかも。
キャラクター自体には今のところ魅力を感じないけれど、物語の上でどのような位置づけでどう動くかが楽しみ。主人公のヒカルはヘヨカだと予言がなされている。ヘヨカは聖なる道化であり、人々を愚かな振る舞いで笑わせる役目を持つらしい。そうすると彼は主人公でありながら物語(戦争)に関われないのだろうか。物語の語り部を物語る、というメタ的な視点から描いていると理解しても良いのかな。
ヒカルの一人称形式で語られている物語を、三人称(作者もしくは読者の視点)で描いている、つまり物語の構造を描く点でかなり冷静な漫画かと思われます。サブカルとしての漫画が(も)好きな人は十分に楽しめると思います。
その他
謎の戦闘美少女とか、変態武力集団とか、BLっぽい美少年とか、オナニーばっかりしている主人公とか、犬とか色々な訴求力はあります。そもそもエンターテイメントしてるから凄い万人向けだけど。
あ、残念ながらハートマン軍曹*2もロバート・デ・ニーロみたいな顔したトラヴィス*3も出てきません。