将来に希望を抱け? 何温いこといっているんですか?

「10年は泥のように働け」「無理です」――今年も学生と経営者が討論 − @IT
http://www.atmarkit.co.jp/news/200805/28/ipa.html

 壮絶に前提を共有していない議論は、ここまで空転するのか。
 五十代くらいの人には本当にわからないだろうけど、僕たちの世代って「会社を1mmたりとも信用していない」んですよ。
 バブル崩壊を九十一年としましょうか。そのころ小学校低学年で、そこから十年を、いわゆる『失われた十年』としてすごすわけですね。そのころに起きた出来事は社会に出ていた大先輩のほうが詳しいでしょう。
 そして小学校低学年だった子供は高校生や大学生になっています。そして将来の進路などを考えることになっているわけですが、世間は就職難。さて彼らは将来に希望を抱けるでしょうか?
 さらに言えば、僕たちの世代はある意味甘やかされて育ったのでしょう。立派な社会観を身に着けた人間はほとんどいない。というかまともな社会観を伝えてくれる大人がいたか? っていうと、はっきり言って疑問です。中学の先生がこんなことを言っていました。
「私は社会にでていないことにコンプレックスを持っています。私たち教師の大概は、学校しか知らない。狭い世間しか知りません」
 ニュースでキャスターが言います。
「またリストラ、また自殺者が」
 身近な大人たちの多くは言います。
「つらいつらい、大人になればわかる。お前たち子供は幸せで良いよな」
 さて、こんな素敵な社会で育った子供たちはどう考えるでしょうか?
 先のことなんてわからない、今がよければそれでいい。
 我慢していれば報われるなんて嘘っぱち。我慢しない奴らが良い目を見る。
 社会がどうなっているかなんてさっぱりわからない。不透明で怖いところ。
 企業に入ったってすりつぶされるだけ、それなら上手く立ち回るか、企業に頼らずとも独力で食っていけるようになろう。企業に請われて社員になっている人間になろう。
 僕の周りは自分のことばかり考えて、社会のためにとか入社する会社のためにとか考える人は殆どいません。将来のことを地に足をついて考えている人間も少ないです。論理的には違うと思っている人たちも多いでしょう。けど直感的に社会をそのように捉えている人はかなり多いでしょうね。
 さて、そんな子供たちを育てたのは今の社会だと思うのですが如何?