日記

 悪夢をよく見ます。というわけで、三つほど印象深い悪夢のお話。

その1

 僕たちは薄暗い地下空間で過ごしていました。地下空間は広大ですが、荒廃していて、天井の裂け目から注ぐ光だけが唯一僕たちに明りを与えてくれました。仲間には小学生しかおらず、全員ウメズカズオにでてきそうな顔立ちをしています。漂流教室のようなシチュエーションで、どうにか皆で生き残ってきたのですが、ついに最近一人が死んでしまいました。
 僕たちは棺を用意すると彼を中に納め、一番明るい場所に葬ろうと棺を担ぎました。棺を運ぶ列の中、周りの仲間たちは暗い顔をして、涙をこらえています。時折しゃくりあげる音が後ろから聞こえ、暗澹とした気分になりました。
 埋葬する場所につくと、僕たちは棺を下ろし、彼を囲みました。一人一輪、花をささげていきます。
 僕の番が来て彼を見下ろすと、瞳を閉じて静かに眠る彼の頬の青白さに気づきました。それを見るのは耐えづらく、花をささげる場所を探そうと彼の手元に目をやりました。彼の手はみぞおちの少しうえで優しく組まれていました。手元に花を、そう思い花を持った手を伸ばすと、彼の腹部がかすかに蠢きました。
 なんだろう、そう思った瞬間、彼の腹部が裂け、中からはエイリアンパート2が出てきました。僕は「ギャッ」と叫び声をあげ、視界が真っ暗になった瞬間目が覚めました。小学生の僕は、荒い息を吐きながら、脂汗をかいていました。

その2

 目がありました。ぎょろりと大きく見開かれて、血走った目です。顔を隠した長い髪の裂け目から、こちらをじっと見つめています。目はどんどん僕に近づいてきます。
 そこで親に起こされました。「目が! 目が!」とうなされていたそうです。リングをみた次の日のことでした。

その3

 観覧車の上に乗っていました。なぜ中に乗っていないのだろうと考えると、頂点にきた僕の観覧車はゆっくりと下に降っていきます。これはまずい、そう思うと回転速度はどんどん増していきます。振り落とされないように必死でしがみつきました。ですが観覧車は止まりません。腕がしびれて、もう持ちそうにありません。地面が近づいてきます。地上の片隅に、母を見つけました。僕は必死に叫び、助けを求めます。彼女はこちらをちらりとみやると、前に向き直り去っていきました。
 どうしようもなくなり、タイミングを見計らって手を離し、着地しようと考えました。地面が近づき、そしてちょっと離れた一瞬を狙って、僕は手を離しました。
 ですが、ほんの少し、タイミングがずれていました。僕は空に投げ出され、壁のような地面がぐんぐん迫ってきます。そして鼻と地面が触れる瞬間、目が覚めました。