No.1を目指さないといけないんだね。

 オンリーワンかナンバーワンか、そういった議論が一昔前に起こっていた気がする。
 オンリーワンは『たった一つの』を意味する。つまり、かけがえのない存在である。オンリーワンであろうとすることは『代替不可能な存在になる』ことである。当然、代替不可能とは誰にとってか? が問われる。
 このとき、人は私人としては容易に『代替不可能』な存在になれる*1が、公人としては大体不可能である。
 私人としてオンリーワンになることに満足すればよい、という話もあるだろう。
 だが「人は一人では生きていけない」という話があるが、全くその通りである。高度化した社会では、必然的に分業が行われるし、分業が選択される以上一人で生きていくことはできない。*2
 そして社会生活を営む以上、ある程度にかけがえがないと思われなければ、替えがきく存在になってしまう。そうすると私人としての存在も脅かされる可能性がある。
 すると公人としても願わくば、『代替不可能』であろうとするのだが、組織というものは通常『代替不可能』な存在をなくそうとする。これは当たり前の話で、一人が欠如するだけで組織として機能しなくなるようでは――人の集合が組織である以上――組織に属す人全体が困ったことになってしまうからだ。
 組織の中で代替可能性が低くなるには、なにかしらの形で組織に貢献し、その貢献が大きくすることである。そしてまた、貢献が自身のなにがしかに深く根ざしていることが望ましい。当然、能力でも良いし、人格でも良いし、経験でも良い。
 だがすべての人が、それを提供しようと足掻くわけであるから、どこに根ざそうとも競争が発生する。この際、周囲を蹴落とすことで代替不可能性を確保することも可能だが、非建設的だし実質的に確保されていないし、趣味ではないので考えないことにする。
 要するに『どこか特定の、自身に根ざした何か』に関しては競争優位をどうにか確保したい。世の中には『持っている奴に持っているものが集まる』という法則が存在するので、そこまで行ってから、さらにリードを持とうと走り続けようとするのが良いのだろう。
 というわけでナンバーワンをどうにか確保することが、オンリーワンを確保することにつながるわけだ。問題なのはナンバーワンに近づこうとしない限り、オンリーワンの保証は酷くあやふやなものになる、ことだ。
 頑張ってナンバーワンを目指すか。
 めんどくさぇなぁ。けど気合を入れよう。

#追記

 非常に面倒くさい事実であるが『代替不可能と観測されているか』が重要なので、実際とは関係がない。つまり、あいつ貢献していないよね、という言葉が地味に効くのが組織なんだろう。要するにある程度の政治力かカリスマも必要って話かな。

*1:個人として認識されれば、私人としてはまぁ代替不可能だよね、くらいの意味

*2:というか分業しはじめるから社会が生まれるのか