赤ちゃんと僕

 しゃにむにGOが余りにも面白いので久しぶりに読んで見た。僕が読んでいたのは主人公の拓也(小五)くらいの年だったわけで、その時に見えていた赤僕の世界は、まぁ大体拓也と同じようなものだったなー、としみじみ思う。

赤ちゃんと僕 (第1巻) (白泉社文庫)

赤ちゃんと僕 (第1巻) (白泉社文庫)

赤ちゃんと僕 羅川真理茂
 いわゆるホームコメディーなわけだけど、父子家庭を小学五年生の男の子(美形)の視点から描いた物語。弟の実(みのる)の世話をしたり、家事手伝いもしたり、イイ子である。
 当時の僕も従兄弟の面倒を見ることしばしばだったので、あの面倒くささも、あの可愛さもどことなく共感する。あれを常時行いながら、常にニコニコできる拓也は本当に偉いなぁ。まぁ、奴らの笑顔は悪魔のもので、なんか許せてしまうのが非常に腹立たしい。
 ほのぼのしているんだけど、一巻に一話くらいエグイ話が挟まっている辺り、羅川らしいなぁと思う。この人、笑顔で人を刺せるんじゃないかな? 与太はともかく、しゃにむにGOに見られる切迫感がたまに感じられる、というお話。
 父親がどうやって遊んだか、という一遍があるのだけど、非常に秀逸。小学五年生の父親と言っても世代もクラスタも違うわけで、色々な差異が現れる。それを上手く繋げているのは感心した。なんでこの一遍に触れたかと言うと、僕の人生の中で数少ない自慢ができるからなんだけど。コーラグミで五百円当てたことあります。財布の中にしまっていたんだのに、何時の間にかどっかいっちゃったんだよな。五百円なんて当時の僕には大金だったわけで、うまい棒が何本買えたことか。でも五百円当てたって凄いよね?
 それにしても子供の頃とは違って、色々なものが見えてくるのは嬉しいことだ。ただやはり僕は拓也のイイ子*1ではないので、どうしてもゴンとか日陰とか江戸川とかが好きになってしまう。けど、拓也が藤井に憧れるのはよくわかるなぁ。
 一番気になるのは羅川って女に厳しいよなぁ、ということだった。少女マンガなので当り前といえば当り前なんだろうあ。無意識に従妹には甘く、従弟には厳しくするのはやはり男だからなのかなー、となんとなく思った。もう少し坊主たちにも甘えさせてやることも大切かもしれん。

*1:皮肉ではなく