彩雲国物語

お話

後宮に入って王の妃になってくれ!」
 な、なんだってー!?

魅力

 こういうのって少女小説というのだっけ? ライトノベルのつもりで買ったけど、全然違う文脈でした。読んでいるとき、なんとなく不思議遊戯を思い出したなぁ。不思議遊戯は「タマホメー」って叫んでいる印象しかないけど、こっちの主人公はしっかりしてるねー。凄い公正な性格に好感を覚えた。
 物語の作りとして、終盤までに少しずつ伏線を張って、最後に畳み込むというオーソドックスな手法。けどこれがはまると滅茶苦茶キモチイイ。見事な序破急で、王国の裏側で流れていた話が鮮やかに収束していく。
 ただ残念なのが、主人公の秀麗に終盤の見せ場がなかったこと。少女マンガ的ヒロインでこんな好ましい性格しているキャラいないのに。保護されているだけじゃなぁ。
 基本はコメディで、ほのぼのと楽しませてくれる作品。面白かったー、っていう感じ。