俺の妹がこんなに可愛いわけがない

シルバーウィークで積んでたものを消化中です。四巻までやっと読み終わりました。

あらすじ

成績優秀・眉目秀麗・運動神経抜群な妹を持つ「俺」が主人公な話。
こんなやつが家族にいたら……普通に疎ましいですよね。とうぜん主人公と妹は互いに無関心な間柄を続けていたわけですが、
ある日、主人公は妹から『人生相談』を受けることになります。『人生相談』の内容……それは、
そう、妹はオタクだったのです。しかも妹萌え
フツーにギャル系で読モもやってる妹ですから、オタバレの恐怖はマジパネェことでしょう。主人公はそんな妹の『オタク』というアイデンティティを守るために、四苦八苦東奔西走するのでした。

紹介

1,2巻を読んだ感想は、良く出来ているし面白いけど普通と思っていました。
なんでかというと、主人公は妹が「嫌い」なのに助けようとするんですよ。「妹だから」って陳腐な理由で。
そもそも主人公が妹を嫌う理由って、根本的に『ルサンチマン』なんですよね。リア充死ねよ的な。あるある。
ルサンチマン』を上手くお話に絡めた三巻は、良かった。
三巻では妹が書いたケータイ小説がトラブルを起こし、それを解決しようとするお話です。
その過程で、主人公はルサンチマンと向き合い、それを認めて、克服しようとします。妹のために。克服しようとするのは、体裁を繕うためだってしりながら。
それが「妹だから」って言葉に、説得力を与えています。自分のみっともなさに直面して、それでも誰かのために行動するってなかなかできないですし、できたらそれって理屈をつけられないなにかでしょう。「妹だから」って言葉は三巻中に二回でてきますが、一回目と確実にちがう輝きがあります。
そして輝きが、主人公にわずかな成長を促すラストは、非常に爽やかな読後を与えてくれました。
四巻の「出来事」の前に三巻を持ってきたのは、すごい筋が通っているなーと感心しました。五巻が楽しみです。