この先生きのこれない
きのこっている先生について考えた。
Fate/stay nightに対して、もにょもにょした感想を抱えている。
というのも「俺の脳内Fateは面白いが、きのこの書いたFateは面白くないだろ、っていうかツマンナイだろ」と思っている。まぁ、正直すぎる感想というのは大概アレだっていう良いケース。
さて、この脳内Fateってのは滅茶苦茶面白い作品である。じゃあ、俺の頭の中のFateだけが面白い作品かというとそうでもなくて、友人の脳内Fateも面白いのである。
そして脳内Fateは人それぞれということもなく、そんなに差がない。だいたい一致している。不思議である。
ということは奈須きのこに表現力があるのか? というと、これはかなり疑問なのだ。だって、キャラクターもカッコいいとは言えないし、長いしだるいし、言葉の使い方も変だし。ケレン味や華がある文章だったら風太郎みたいな文章がかっこいいよねー、と思うのである。
けど、ストーリーをプロットに分解して、構造を考えて、テーマを見ていけば、なるほど面白い作品である。この過程で○○カッケェ! みたいなキャラクターに対する愛情もやっとわいてくるわけだ。
書かれているキャラクターは別にかっこよくないけど、俺の脳内○○はカッコいいよ。(かわいいよ)、って話はわりと通じやすいと思う。
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では表現力がないかというと、そうとも言い切れない。Fateは二次創作が多いけれど、流し読みした限りではそんなにキャラクターにブレがない。「ヒエイはそんなこと言わない」みたいなのがない。つまりちゃんと伝わっている。*1
伝わっているってことはちゃんと表現されている、ってことでもあるはずなんだ。
この状況はいったい何なのかというと、頑強な構造で王道をやったということではないだろうか。
設計と筋がちゃんとしていると、読んだ人がちゃんと補完してくれるよ、と言い換えられる。読者が設計から帰納的に物語を紡げるツクリになっているのではないかなーと思うのである。
実は奈須きのこのすごいところってのはココにあるんじゃないかな。二次創作の多い作品ってのは穴が多い出来の悪いものだと言われがちだったけれど、奈須きのこに関しては逆に凄さの証明なのかもしれませんね。