国富論
- 作者: アダム・スミス,水田洋監訳,杉山忠平
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/05/16
- メディア: 文庫
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ゆっくり読んでいるのでメモ。実に面白い。一章と二章。
分業の発生と性質
分業による作業の単純化による効率の向上。例はピンの生産から。すなわち分業により供給が増大し、国民に十分に行き渡る。職人*1の技量上達の向上と共に質の向上をつくる。
供給の増大は学問を生み、学問は工夫を生み、工夫は供給の増大を生む。*2
ある種の作業は、分業ができないことがある。季節などに左右される農業が例。一つのことに拘束されても生計が立てられないから?
分業は人間の交換から生まれる。弓矢を作る人と狩猟者は、弓矢と皮や肉を交換する。職業的分業? ピンとは語られる領域が違うかも。
疑問点
人間は無目的な単純作業に耐えられるか? ピンなど完成形の見出せる作業に対して、複雑化した工程では全体像が見えないケースがあると思われる。理想的な分業の単位*3は?
分業による組織と個人の戦略的ミスマッチ? 差別化の選択肢として、集中と万能の二択があると思われる。前者は競争が発生するのでしんどいし、柔軟性が低い。後者は汎用性、柔軟性が高い一方、器用貧乏で終わる可能性高い。集中戦略の方が経験則的に分は良さそうだが……。テクノロジーの進歩が早いしね、今。
個人は差別化を測りたいが、組織は差別化を許したくないはず。この視点からだとダイバーシティが唱えられるのが何故かわからない。差別化された個人の連結を生み出す組織が、組織としては一番魅力的に移る? 「優秀な人間」を差別化が測られた個人であるなら、納得。
差別化戦略が叶わない場合、コストリーダーシップ戦略をとらなければいけない? → ワーキングプア?
「労働者」と「職人」と「資本家」*4の三分類になるかもなー。労働者と職人の違いは「代替可能性」くらいかね。労働者→職人→資本家というCC*5 がちょっと前での一般的な夢だった気がする。